半導体集積回路形成済みチップの積層に用いるペースト状接着剤に起因する問題の解決と半導体製造プロセスを簡略する目的で,アクリル酸エステル共重合体,紫外線硬化型樹脂およびエポキシ樹脂からなる粘接着剤を開発した。紫外線硬化型樹脂の添加量および紫外線照射光量が過剰になると接着物性は低下することがわかった。一方,メタクリル酸グリシジルをアクリル酸エステル共重合体中に含み,エポキシ樹脂として多官能ノボラック型エポキシ樹脂を用いることにより良好な接着性および耐熱性が得られた。本テープは紫外線硬化と加熱硬化を段階的に行うことにより,汎用のダイシングテープならびにペースト状接着剤より優れた性能を示し,ダイシング機能とチップ接合能を兼備した全く新しい半導体製造用粘接着剤に成り得ることがわかった。