日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
Print ISSN : 0916-4812
ISSN-L : 0916-4812
研究論文
微小導電性接着接合部の力学的-電気的特性の実験的研究
吉澤 幸真池上  皓三
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 45 巻 1 号 p. 4-9

詳細
抄録

エポキシ樹脂に球状銀粉を混練した導電性接着剤で接着した微小接合部に,室温と高温で引張,ねじり,引張とねじりの複合負荷試験,高温での引張クリープ,ねじりクリープ,引張とねじりの複合負荷クリープ試験を行い,微小接合部の変形特性と導電性の関係を調べた。変形特性にはひずみ量を,導電性には電気抵抗を用いて,これらの関係を調べた。引張とねじり試験では,応力とひずみ関係で比例限ひずみまでは,電気抵抗に大きな変化はないが,比例限ひずみを越えると電気抵抗は急激に増加した。複合負荷では,それぞれの応力負荷の応力とひずみの関係で,比例限ひずみまでは電気抵抗に大きな変化はないが,比例限ひずみを越えると,電気抵抗は急激に増加し導電性は失われた。クリープ試験では,引張,ねじりのいずれの試験においても,遷移クリープから定常クリープに移る時点で,電気抵抗値が急激に増加し導電性が失われた。また,引張とねじりの複合クリープ試験では遷移クリープの初期の段階で電気抵抗が急激に増加し導電性が失われた。

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本接着学会
前の記事
feedback
Top