日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
Print ISSN : 0916-4812
ISSN-L : 0916-4812
研究論文
MADIX法によるグラフト化ポリシルセスキオキサンの合成と粘着物性
樫尾 幹広杉崎 俊夫守谷 治
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 48 巻 10 号 p. 341-347

詳細
抄録
既知の方法により合成したキサンテート基を有するポリシルセスキオキサン(XaPSQ)をマクロ開始剤として用い,4-アクリロイルモルホリン(ACMO)とアクリル酸n-ブチル(BA)とのブロック共重合体の合成に適用し,モノマーユニットのシークエンスの異なるグラフト化ポリシルセスキオキサンを合成した。XaPSQからのグラフト重合は,可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)/MADIX法の適用により,架橋反応による副生成物を伴うことなく効果的に進行した。得られたグラフト化ポリシルセスキオキサンの粘着特性について評価したところ,ACMOとBAとを重合したグラフト化ポリシルセスキオキサンの粘着力は,ポリエチレンおよびポリ(メタクリル酸メチル)と比較して,ステンレスおよびガラスに対してより高い粘着力を示した。また保持力は,ACMOとBAとのブロック共重合体を導入したグラフト化ポリシルセスキオキサンにおいて,40℃および80℃の条件でほぼ同じ挙動を示した。
著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本接着学会
前の記事
feedback
Top