抄録
剥離挙動観察装置により,臨界表面張力γcが異なる種々の被着体でアクリル系粘着剤の糸曳き挙動の解析を行った。その過程で,それぞれの被着体で剥離速度0.02mm/s付近を示した時の剥離荷重を求め,その値をLoad(0.02)と表記し各被着体の代表値とする方法を確立した。本手法により定荷重剥離測定で得られた剥離速度を剥離荷重すなわち接着力と同じ単位系に換算することが出来るようになった。この代表値を用いて解析を行った結果、臨界表面張力γcと剥離接着力(Load(0.02))の相関は無かったが,鋸歯の長さとLoad(0.02)の寄与率R2は0.8 と良い相関があることが明らかになった。鋸歯の長さと剥離荷重の寄与率が大きいことから,剥離接着力という強度因子が,糸曳き形態を介して,粘着剤の変形量という長さの次元で表せるようになった。