日本接着学会誌
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研究論文
タンニンで代替したフェノール樹脂の硬化挙動の解析と接着性能
吉田 知弘滝 欽二山田 雅章
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2012 年 48 巻 8 号 p. 269-275

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抄録
化石資源使用量の抑制と熱圧条件を緩和させることを目的として,アカシアの樹皮に多く含まれる天然物のミモザタンニンでフェノール樹脂(PF)中のフェノール(P)の一部を代替する木材用接着剤の合成を行った。熱機械分析(TMA)スプリング法を用いて合成したタンニン代替フェノール樹脂の硬化挙動を解析し,合板の接着性能との関連性を検討した。フェノールに対するホルムアルデヒドのモル比(F/P)1.2.1.4としたフェノール樹脂中のフェノールをミモザタンニンで30~50%代替することにより硬化温度を低くでき,合板の熱圧条件を緩和することができた。また,モル比1.4の樹脂の方がモル比1.2のそれよりも硬化温度が低い温度で硬化し,接着性能が発現することが判明した。
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© 2012 一般社団法人 日本接着学会
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