日本接着学会誌
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研究論文
界面はく離をともなうセラミックス基複合材料への制約条件付き有限要素モデルの適用
喜多村 竜太合田 公一
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2014 年 50 巻 12 号 p. 428-434

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抄録

セラミックス基繊維強化複合材料(CMC)に生じる繊維-マトリックス間の界面はく離は,この材料の靱性改善に関わる主要なメカニズムである。本研究では,CMCの界面はく離を表現した制約条件付き有限要素モデルを提案した。このモデルは,節点における変位の等価性や接触力のつり合いを仮定し,これを制約条件として数値解を求めるものである。利点として,従来の接触問題における繰返し計算を必要とせず,わずか一回の計算で解が得られる。本モデルを,界面摩擦として(ⅰ)クーロン摩擦が生じる場合,および(ⅱ)一定の界面せん断応力が働く場合に対して定式化した。その結果,はく離領域における繊維およびマトリックスの応力分布は理論解と良く一致した。さらに,界面損傷を扱う代表的な有限要素である結合力要素についても本モデルによる定式化を図った。その結果,はく離領域における力学挙動が現象に合致して定性的に表現できることを確認した。

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© 2014 一般社団法人 日本接着学会
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