2015 年 51 巻 2 号 p. 49-57
我々はホットメルト粘着剤の欠点の解消のために,凝集力成分の物理的変化を利用せず,化学結合の解離に基づく新しい機構による無溶剤熱加工型粘着剤の提案を行ってきた。今回の報告では,シート化の工程適応性確認のために,加熱時の流動性をラボプラストミルにより評価するとともに,押出機を用いて粘着シートの作成実験を行った。加熱時の流動性は,加工前材料中の熱解離基の量に依存するとともに,加工時に添加するポリオールの種類,量にも影響されることを明らかにした。また,流動性の変化を抑制するためには,三官能のポリオールの添加量を減らすことが有効であることを確認した。押出機を用いた粘着シート作成実験の結果,粘着剤を連続的に基材に塗布することが可能であることが確認され,化学結合の解離にもとづく新しい機構により,工業的に粘着シートを生産することが可能であることが示唆された。