日本接着学会誌
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脂肪族アミン類をインターカレートしたリン酸ジルコニウムの熱潜在性硬化剤としての応用
下村 修大高 敦野村 良紀
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2017 年 53 巻 4 号 p. 118-121

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抄録

エポキシ樹脂硬化剤に用いられる脂肪族アミン類として1,3プロパンジアミン(PrDA),1,4ブタンジアミン(BuDA),ジエチレントリアミン(DETA)の3種類をα リン酸ジルコニウム(α-ZrP)にインターカレートした。得られたインターカレート化合物を用いてグリシジルフェニルエーテル(GPE)との反応を行った。その結果,140℃,24時間でα-ZrP・BuDAは94%,α-ZrP・DETAは89%の高い転化率を示した。一方,α-ZrP・PrDAは47%と他のものと比較して低かった。これら3種類のインターカレート化合物を用い40℃下での貯蔵(熱)安定性を評価したところ,15日間後も反応は進行せず,優れた熱潜在性硬化剤としての挙動を示すことがわかった。

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© 2017 一般社団法人 日本接着学会
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