日本接着学会誌
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研究論文
in-situ ナノ相構造を形成したエポキシ/アクリルブロックコポリマーブレンドの力学特性
山田 和義岸 肇
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2017 年 53 巻 7 号 p. 228-234

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抄録

ポリメチルメタクリレート-b-ポリnブチルアクリレート-b-ポリメチルアクリレート( PMMA-b-PnBA-b-PMMA) トリブロックコポリマー( BCP)/エポキシ樹脂/芳香族アミンの硬化物のナノ相構造と破壊靭性との関係を研究した。BCP のアミンへの加熱溶解によりPMMA ブロック鎖にカルボン酸をin-situ 生成することができる。このカルボン酸量を制御することで同一組成物から3 種の異なるナノ相構造,すなわち湾曲ラメラ構造,ワーム状ミセル/ ベシクル共存構造,球状ミセル構造を形成させた。破壊靭性はワーム状ミセル/ ベシクル共存構造が最も高く,K1c=2.5MPam1/2 とBCP 無添加のエポキシ樹脂硬化物に対して210%向上した。破断面を光学顕微鏡とSEM にて観察し,強靭化機構を考察した。

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© 2017 一般社団法人 日本接着学会
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