2018 年 54 巻 9 号 p. 324-330
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン( GPTMS) でシリカ粒子の表面処理を行い,その熱重量(TG) 分析による重量減少カーブから処理層のキャラクタリゼーションを検討した。このために,アルコール洗浄前後の処理粒子,モノマー状GPTMS やGPTMS のオリゴマーのTG カーブを比較した。処理粒子のTG カーブは,3 段階の重量減少を示した。アルコール洗浄後の処理粒子とオリゴマーのTG カーブは,第3 段のみであった。表面処理粒子のTG カーブの各段の成分は,以下であると考えた。第1 段は物理吸着GPTMS 分子の蒸発,第3 段は,化学吸着と物理吸着のオリゴマー,および化学吸着したGPTMS 分子である。第2 段は,表面と水素結合を形成したGPTMS 分子と推定した。アルコール洗浄前後のTG カーブの比較は,処理層のキャラクタリゼーションに有用であることが分った。