2020 年 56 巻 6 号 p. 225-239
構造用接着剤とは,強度を重視した構造物の接合のために開発された高強度接着剤であり,そのための接着技術を構造接着と呼んでいる。構造接着の歴史は,軽量化のために始まり,現在に至っては省エネルギー化のために必要な技術へと変化している。そこで,本報においては,著者の30 年に亘る研究の成果を基に,金属接着継手の強度設計において必要な考え方と必要な試験方法について述べる。その中で,単純重ね合せ継手,段付き重ね合せ継手,円筒突合せ継手,軸-円筒はめ合せ継手および接着剤バルク試験片等,種々の形状の接着試験片を用いた実験結果および応力解析結果の両面から検討した事例を示し,強度評価の方法を提案する。さらに,高温環境への接着接合技術の展開を目指し,無機接着剤の高温下における材料物性の温度依存性に関して,無機接着剤を用いた実験により検討した結果も報告する。