2021 年 57 巻 3 号 p. 90-98
マイクロコーティングされたイソシアネート粒子と液状アミンを組み合せた,新しい超速硬化型一液システムを設計した。このシステムでは,硬化反応は主として,ジイソシアネートと二官能性または三官能性アミンとの間の求核的重付加に基づいた尿素結合形成である。マイクロコーティングされた4,4ʼ- ジフェニルメタンジイソシアネート( MDI) を使用した場合,アミンとの混合物の粘度は5℃で5 週間までほとんど増加しなかったが,25℃で5 日間保存すると5 倍に上昇した。ホットプレートでのゲルタイム測定の結果,この種の熱硬化性樹脂は,40℃で25 秒,160℃で0.5 秒のような極めて短時間で硬化できることが分かった。アルミ板を用いた引張せん断試験で測定した本樹脂の接着強度は,硬化温度により8 ~26 MPa と大きく変動した。より低い温度で硬化すると,急速に硬化するイソシアネート部分が不均一系のアミンの海に十分に拡散することが非常に困難であると思われ,その結果,接着強度が低くなったと考えられる。一方,200℃で硬化した際に接着強度が25 MPa 以上となった原因は,尿素結合の解離とその後の遊離イソシアネートとアミンの完全拡散に関係していると考えられる。