2021 年 57 巻 3 号 p. 99-104
一定架橋度のアクリル酸を5 wt% 含むアクリル酸n-ブチル-アクリル酸ランダム共重合体( A) およびアクリル酸2 エチルヘキシル-アクリル酸ランダム共重合体( B) について,石英ガラス板を被着体とした180° ピール試験時の糸曳きを観察した。粘着剤層厚さは15 ~60 µm,引張速度は0.017 ~5 mm·s-1 である。ピール強度は,引張速度と粘着剤層厚さにともなって上昇した。同一粘着剤層厚さで比較すると,B >A であった。糸曳きのモルフォロジーは典型的な鋸歯状で,B の低引張速度,薄い粘着剤層厚さの一部で縁あり型が観察され,他は縁なし型であった。引張速度の上昇と粘着剤層厚さの低下にともなって鋸歯長さが低下し,同一引張速度での鋸歯長さはB >A であった。引張速度5 mm·s-1 では,糸曳き自身が見られない場合もあったが,0.5 mm·s-1 以下では同一引張速度での比較でピール強度と鋸歯長さに相関があった。