日本接着学会誌
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総説
タッキファイヤの表面偏析を利用した新規アクリル系粘着剤
橋本 祐介竹谷 伸幸中村 賢一
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2022 年 58 巻 6 号 p. 206-212

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抄録

タッキファイヤ( TF) の表面偏析現象を利用した新規アクリル系粘着剤を紹介する。X線光電子分光により,この粘着剤は,TF 添加量が2 wt% と少量にも関わらず,粘着塗膜表面のTF 濃度は,約80 wt% と高濃度で偏析している。また,そのTF 偏析層の厚みは約20 nm である。TFが偏析した粘着剤( TF偏析粘着剤) は,従来の粘着剤に比べて,高温下で高い剥離強度を維持した。ずり粘弾性測定により,TF の表面偏析は,粘着剤全体の粘弾性挙動にほとんど影響しない。これらの結果より,高温接着性の向上は,粘着剤全体の柔軟な性質を維持しつつ,TF の表面偏析により塗膜表面に高Tg 層が形成されたことが寄与していると推定された。TF 偏析粘着剤は,タッチパネル用途で要求される耐発泡試験や真空圧空成形により成形した加飾フィルムの耐熱試験で優れた耐久性を発揮したことから,これらの用途への適用性が示された。

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