日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
Print ISSN : 0916-4812
ISSN-L : 0916-4812
研究論文
相容化材中の変成基グラフト量がLLDPE/PA6/ 相容化材ブレンドの相構造や力学特性に与える影響
日笠 茂樹
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 59 巻 2 号 p. 34-40

詳細
抄録

積層フィルムをリサイクルしたプラスチックのモデルブレンドとして,LLDPE/PA6 ブレンドに,相容化材として無水マレイン酸(MA)変性ポリプロピレン(PP-g-MA)を加えた。PP-g-MA 中の MA 含有量やブレンド中のPP-g-MA 量がブレンド材の相構造や力学特性に影響を与えた。PP-g-MA 中のMA 基とPA6 中のアミド基との相互作用によって,LLDPE 中に分散するPA6 粒子が微細化された。このPA6 粒子径に影響する最も重要な因子は,ブレンド中に含まれるMA 量とPA6 量の比であった。PP-g-MA によって衝撃強度が顕著に向上した。一方,引張降伏応力はわずかに向上し,弾性率はほとんど変化しなかった。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本接着学会
次の記事
feedback
Top