2010 年 15 巻 1 号 p. 44-47
本庭園は、フランスの「ショーモン国際庭園フェスティバル・コンペティション」に入選し、2009年4月から10月までの間、ショーモン城の展示会場に制作展示されものである。フランスの詩人ポール・エリュアールの詩「私は一人ではない」を庭園のデザインへと展開しており、訪問者は桜の木の下、ベンチに腰を掛けて木製の詩集を読むことができる。目の前には、白い砂に流れるような天然藍の青色が広がり、植物が有機的に群れをなしている。また光を受けて瞬くシルバーリーフ系を中心とした植物群からは、艶やかで多彩なアザミ系の花々が顔を出す。古いベンチや木製詩集と四季折々に変化する色鮮やかな世界との対比が、時空を超えた生命の喜びを彷彿とさせ、庭のデザインを通して詩で表現された「愛と自然賛美」の世界を訪問者と共有することができた。