2020 年 26 巻 1 号 p. 1_130-1_135
飲酒は社会生活や習慣の一部である一方、アルコールに関する知識の不足が導くアルコール依存症の状態にいる人口の増加は世界的な問題となっている。社会の関心の低さは時代に応じた教材の開発を妨げる。世間一般に根付いたアルコール依存症の誤ったイメージ(暴力や患者の怠惰な性格等)で表現された現行の教材は、患者のアルコール依存症でないという意識=否認を強める恐れがある。今回、患者の正しい理解と当事者意識を促すことを目的としたアルコール依存症を学ぶ教材一式を制作した。また、医療側と患者側の双方における有効性を検証した。