2021 年 27 巻 1 号 p. 1_68-1_73
「工芸のまち・松本」の魅力を発信するツアー型イベントである「旅行社みずのさんぽ」を企画デザインした。多くの人々が湧水のまちを回遊・散策しながら、工芸の魅力を実感できることをコンセプトとした。松本市で毎年開催される大イベント「工芸の五月」の期間中に、松本市美術館と連携して館内にブースを設け、さまざまな広報活動を展開した。松本は湧水のまちであるが、近年暗渠化や井戸の取り壊しなどが進み、まちの貴重な自然資産が損なわれている。そこで、市民や工芸作家、大学等に参画を呼びかけ、まちを回遊しながら楽しみ学び合うことで環境整備にもつながるしくみを整えるとともに、イベントに対応した工芸のまちの特質をいかした工芸品をデザイン開発し、松本の地域ブランドの定着を図った。筆者は「工芸の五月」を主催する工芸の五月実行委員会から依頼を受けて、工芸と地域を繋ぎまちの回遊性を創出するためのツアー・イベントのプロデュースを担当した。