2016 年 40 巻 1 号 p. 43-53
本研究では知的障害を伴う広汎性発達障害幼児1 名における箸操作スキルに対する身体的ガイドフェイディング法の効果を検証した。介入期では、対象児の指の位置を固定するトレーニング箸による身体的ガイドを実施した。最終的に身体的ガイドは段階的に撤去された。この介入は臨床指導場面と家庭指導場面で実施された。臨床指導場面では、ガイドなしの箸を使用して箸操作の正確性および流暢性を評価した。場面般化を評価するために、トレーニング箸を使用して家庭指導場面においてもデータが収集された。その結果、両方の場面において、対象児の箸操作スキルにおける正確性および流暢性が徐々に増加した。本研究の結果から、身体的ガイドフェイディングが対象児の箸操作のスキル般化を促進することが示唆された。知的・発達障害児の運動スキルに対する行動分析学に基づく介入技法の有効性について考察された。