障害科学研究
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実践報告
選択性緘黙を示す小学生の担任、母親および特別支援教育
コーディネーターへのコンサルテーション
園山 繁樹
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2017 年 41 巻 1 号 p. 195-208

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抄録

選択性緘黙を示した小学校1 年生男児について、担任教師、特別支援教育コーディネーターおよび母親に対して大学教育相談室においてコンサルテーションを実施し、 1 年9 か月後に選択性緘黙の症状が顕著に改善した経過を報告した。原則として月に 1 回、教育相談室で合同コンサルテーションを実施した。緘黙症状を改善するために刺激フェイディング法やエクスポージャー法を基盤にしたスモールステップを作成した。各スモールステップで、担任教師とコーディネーターは教室で実施可能な方法を検討・実施し、母親はそれらについて対象児の考えを確認したり、一部を家庭で練習した。その結果、3 年生の6 月には授業で通常の形での発表や、休憩時間での他児との会話も問題がないレベルとなり、終結した。5 年2 か月後のフォローアップにおいても、発話や学校生活について特別な問題は生じていなかったことが確認された。

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