障害科学研究
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東京都立光明特別支援学校における進路指導の変遷
竹内 博紀安藤 隆男
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2018 年 42 巻 1 号 p. 125-138

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抄録

本研究の目的は、肢体不自由教育を先進的に牽引してきた東京都立光明特別支援学校における進路指導が、児童生徒の障害が重度・重複化する過程において、その目的・内容をどのように変化させてきたのかを明らかにすることである。高等部卒業後の進路状況及び生徒の実態の変化に着目し、教育課程上での進路指導の位置づけの変遷を時系列で分析した。生徒の疾患は、脳性まひが徐々に減少するが、代わって脳性まひ以外の脳原性疾患の割合が増え、結果的に脳レベルの疾患が高い比率を占めている。 これによって、進路状況は、進学や就職が大幅に減少し、社会福祉施設への入所・通所が急速に増加した。ADLの自立度も年度を追うごとに低下しており、障害の重度・重複化が表面化したことが分かった。このような生徒の実態の変化に伴って、主に進学や就職を目指した進路指導から、一人一人の生徒の実態に応じ、幅広い多様な進路を前提とした進路指導へと変化した。

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