2018 年 42 巻 1 号 p. 217-226
国際教育協力機構および筑波大学附属特別支援学校5 校との連携のもと、ボリビア多民族国の研修員を対象に2012年度に教育実践型の本邦研修を実施した。本稿においては、帰国後の研修成果を検証するために、プログラムに参加した研修員を対象に研修の評価にかかわる質問紙調査を行った。その結果、研修の目的としていた「指導案の作成」「個別の指導計画作成」「子どもの実態把握」「教材教具の活用」「授業研究」等については、帰国後も継続されていることが明らかとなり、教員の専門性の向上に努める姿勢がうかがえた。さらに、より深い学びに関する要望として、「重複障害」「早期教育」「進路指導・職業教育」等の内容が挙げられており、日本の特別支援教育が直面している課題と類似した側面がみられた。 今後、研修後に自国で展開されている教育実践例を蓄積することによって、より充実した研修プログラムの構築への示唆が得られると考える。