2020 年 44 巻 1 号 p. 87-97
肢体不自由特別支援学校ではTTが日々の授業形態として採用されている。TTによる指導の効果が挙げられる反面、教員間の連携や人間関係の課題が指摘されている。本研究では、肢体不自由特別支援学校のTTにおいて複数の授業者がどのような役割を果たしているのかを授業の計画・実施・評価の各段階に着目し、明らかにすることを目的とする。結果として、肢体不自由特別支援学校では教師と児童生徒の数が近く、「子どもにつく」タイプのTTが行われていることが明らかになった。また、肢体不自由特別支援学校は、計画段階において原案作成後に授業者間で協議をする割合が低いこと、実施段階において計画とのズレや授業者間でのズレが生じる割合が高いこと、評価段階において毎時間の記録、評価をする割合が高いことが明らかになった。