障害科学研究
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小学校教師を対象とした機能的アセスメントにもとづく行動支援計画立案の研修効果の検討
松下 浩之
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2020 年 44 巻 1 号 p. 75-86

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抄録

小学校において児童が示す行動上の問題に対して、応用行動分析学の視点から、機能的アセスメントの結果にもとづいた支援アプローチを実施することの有効性が指摘されている。しかし、その方法論を教師が習得するための研修の有効性を検討することが課題として指摘されている。本研究では、小学校教師を対象に応用行動分析学にもとづいた支援に関する6時間の研修を実施し、問題行動の原因推定と支援計画立案の変化を評価した。その結果、13名の参加者について、行動の機能に合わせた原因の推定とそれに対応した支援計画の立案に質的な変化が見られ、より多面的に具体策を検討することができるようになった。また、短時間の研修による効果は、小学校における全校的な校内支援体制を構築するための研修としても有用である可能性を示唆している。今後の課題として、無作為抽出された対象者への研修効果や、研修が実際の指導に与える影響、評定の信頼性についての検討が必要であることが示された。

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