障害科学研究
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食物アレルギーに関する講義が特別支援学校教員を志望する学生の知識および意識に与える効果についての検討
國武 加奈松岡 早紀深澤 美華恵林 大輔竹田 一則
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2020 年 44 巻 1 号 p. 99-109

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抄録

本研究では、特別支援学校教員を志望する学生の食物アレルギーに関する知識および意識の実態と講義による効果について調査した。特別支援学校教員を志望する学生39名を対象とし、食物アレルギーに関する講義前後にそれぞれ質問紙の回答を求めた。 その結果、知識の実態では、エピペン® 等の薬に関する知識がその他の知識に比べて有意に低く、知識を補完する必要性が示唆された。また、講義後は食物アレルギーに関する知識が有意に上昇した。さらに、エピペン® トレーナーを用いた実技訓練によって、講義後、エピペン® の使用に対する恐怖心が有意に低下し、自信が有意に上昇した。 一方で、講義後に食物アレルギーへの不安が有意に上昇したが、食物アレルギー対応への危機感の高まりとして意義があると考えられる。また、学校教員が食物アレルギーの適切な知識と緊急時対応の技能を身につけるには、教員養成段階から定期的かつ反復的な研修が必要と思われた。

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