抄録
東電問題を受けて多数の原子力発電所が運転を停止したことにより、東京電力供給地域では2003年夏、電力供給力不足から停電が起こる可能性が高まり、企業への対策依頼や家庭での節電を呼びかける広報が積極的に展開された。原子力発電に対する世論を測定するために、1993年以来継続的意識調査を実施してきたが、その一環として、2003年9月26日から10月14日に、関西電力供給地域と東京電力供給地域において、18歳以上79歳以下男女から層別2段無作為抽出による各地域1500サンプルに対して、留め置き法により調査を実施した。関西の時系列比較および関西と関東の地域比較により首都圏電力不足問題の影響を検討した。その結果、首都圏の電力不足やそれが原子力発電所の運転停止に起因していることはかなり認知されていたが、エネルギーや原子力発電に対する意識にはほとんど影響がなかった。関東では節電広報はかなり浸透していたが、積極的に節電行動をとるには至っていなかったことが示唆された。