抄録
エネルギー教育のアプローチには大きく、エネルギー概念の理解を中心した理科的な方法と、資源・エネルギー・環境の関わりの理解を中心とした社会科的方法の二つがある。学校教育において、前者はその名のとおり理科教育で、後者は社会科教育で取り扱われることが多い。しかし、理科教育は、自然の不変の原理、法則、概念等の学習が中心であり、エネルギー概念を主眼にしているわけではないため、人々が卒業後に正しいエネルギー概念を形成できているかどうかは疑問である。このため、関西在住の人々を対象にエネルギー概念の形成状況についてアンケート調査を行った。 この結果、多くの人々がエネルギーとエネルギー資源を混同しており、エネルギーの保存や転化に対しても誤解をしていることがわかった。