抄録
マイナーアクチニドを効率よく核変換することを目的とした加速器駆動核変換システム(ADS)について、その工学的成立性評価に資するための技術開発を平成14年度から3年計画で実施している。技術開発の対象は、「超伝導陽子線形加速器(LINAC)」、「鉛ビスマス共晶合金(LBE)」、「未臨界炉心技術」の3分野である。超伝導LINACに関しては、主要な構成要素であるクライオモジュールの試作が完了し、性能試験を実施中である。LBEについては、ループを用いた腐食試験、LBE中の材料疲労試験、ビーム窓部の伝熱流動試験、LBE中のPoの蒸発率測定等を進めた。未臨界炉の構造検討では、熱出力800MWのタンク型LBE冷却ADSについて、特にビーム窓とホットスポット燃料ピンの冷却性能を中心に成立性を検討した。未臨界炉の炉物理の観点からは、KUCAを用いて未臨界度測定手法の開発を実施すると共に、共分散ファイルと感度解析結果を用いた核特性予測精度評価を開始した。