抄録
高い安全性を有し、長期間(目標30年)の燃料無交換を目指した反射体制御方式ナトリウム冷却小型高速炉の実現のために必要な稠密・低圧損燃料集合体に関し、燃料ピンバンドルの変形解析を行った。解析には有限要素法を用いた3次元燃料ピンバンドル彎曲解析コードETOILEのグリッドバージョンを用いた。解析よりピン間最小ギャップが正になり始めるのは9段グリッドからで、10段グリッドで一旦負となった後、11段グリッドからは正となっている。特に、14段グリッド以上では、比較的大きなピン間最小ギャップを示している。このことから、14段グリッドを候補バンドルとした。更なる圧損低減化の方策として部分グリッド(ドーナツ状にリングセルを配置)に置換した解析を行い、最終的に1段おきに部分グリッドを配置するバンドルを選定した。以上より実規模水流動試験体のグリッド構成は、3層部分グリッド7段と通常のグリッド7段を交互に軸方向等間隔で配置することとした。