抄録
塩化アンモニウムと18クラウン6(18C6)固定化した樹脂を用いてクロマトグラフィー窒素同位体分離実験を行った.18C6は自身の空孔径に適合するNH4+をもつNH4Clと錯体を形成する.塩化アンモニウムを18C6固定化樹脂に充填したカラムに送液した結果,移動相側に14NH4Clが固定相側に15NH4Clが濃縮されたのを確認した.平衡分離係数αを用いてε=α_-_1で定義される濃縮係数をSpeddingらの方法 により求めたところ,ε=0.0021±0.0008であった.これはクリプタンド(2B21)樹脂を用いた場合のε=0.0019±0.0007と同程度であった.