抄録
還元抽出法の性能評価を目的として、LiCl-KCl共融塩と液体カドミウムの系における還元抽出速度を測定し、還元抽出速度に及ぼす溶解度の影響を検討した。前報ではいくつかの放射性核種の物質移動係数を求め性能評価上十分に高い値を得たが、一部の核種(Pa、Zrなど)については物質収支上の問題が示唆されている。今回は、この問題についてさらに検討を進めるため、測定を繰り返すとともに、金属相から採取した試料を分析した。還元抽出速度の測定においては、還元剤の添加後、Cd相中の濃度の増加速度が急に立ち上がった後、緩やかに増加する傾向が見られたため、後者の速度成分を界面付近に一時的に滞留した溶質元素によるものとして、Cd相への溶解速度を含めて解析した。その結果遅い成分から算出された溶解速度の温度依存性は溶解度の温度依存性によく対応しており、溶解速度が還元抽出速度に影響を及ぼすと考えられる。