抄録
N-シクロヘキシル-2-ピロリドン(NCP)が硝酸水溶液中のウラニルイオンを選択的に沈殿させうることを利用したFBR使用済み燃料を対象とする簡易再処理法の開発を進めている。ビーカースケールの試験結果を基に、実機システムを想定した工学的な検討を行い、臨界安全を形状寸法管理で担保できる円筒形状の沈殿装置及び固液分離・洗浄装置で構成されるシステム試験装置を設計・製作した。模擬不純物としてCe、Srを添加した硝酸ウラニル溶液を用いた試験を行ったところ、沈殿装置を用いて、滞留時間(20から30分)の4倍に相当する試験時間(80から120分)の間、円滑に沈殿生成できることを確認した。また、得られたスラリに対し、採用した装置を用いて固液分離を行ったところ、Ce、Srについて最大で100程度の除染係数が得られた。以上より、本装置が本簡易再処理システムの主要装置として高い適性を持つことが確認された。