抄録
地層処分の安全評価において、将来、オーバーパックが破損した後、地下水により溶出してくるアクチノイドと地下圏に存在する諸物質との相互作用についてのデータを整理しておくことは、重要である。本研究では、アクチノイドと各種有機物との相互作用の基礎として、Am(_III_)の代替として非放射性のEu(_III_)を用い、有機酸に典型的なカルボキシル基を含むものとしてリンゴ酸を用い、Eu(_III_)との錯生成エンタルピーを直接測定し、また電位差滴定により各反応の平衡定数の検討も行った。電位差滴定の実験から、錯生成についてlogβ1=4.4±0.1,logβ2=7.4±0.2と求まったが、logβ3やlogβHMLについては妥当な値が得られなかった。これは、Eu(_III_)の加水分解のためのpHの制限や滴定中のpH変化が小さいことによると考えられる。得られた平衡定数を用いた熱解析についても、溶液の化学種分布と発生熱量との間に十分な相互関係が見られなかったため、更なる実験・検討を行う予定である。