抄録
最も高い検出効率を有するCR-39検出器中における潜在飛跡形成機構について検討を進めている。これまでに、(1)飛跡の径方向コア半径を種々の重イオンについて求め、線量分布モデルとの比較をおこない、(2)高線量ガンマー線照射がバルクエッチング速度にもたらす効果についての実験を実施し放射線誘起酸化反応の役割を明確にし、さらに、(3)赤外線吸収スペクトルに見られる照射の影響を評価してきている。これらの研究を通じて、潜在飛跡においてはカーボネート結合部から二酸化炭素が放出されていること、そして、新たに形成される端点には水酸基が生成することを見いだした。本研究においては十数ミクロン厚さのCR-39薄膜を作成しGANILの化学実験ビームラインに設置されているその場観察型の赤外線分光装置による照射と分析を実施した(130 MeV, C-12)。潜在飛跡の単位長さ当たりの二酸化炭素生成数とこの体系におけるG-値を評価した。