抄録
近年、原子力プラントでは社会的な要望などから、安全性確保のためのリスク評価が必要不可欠な要素となっている。危険性解析手法と一つであるHAZOP(Hazard and Operability Study)は、プラントに潜在する危険性を解析する手法としてその有用性が認められているが、それを実施するためには人や時間など膨大なコストを必要とする。近年では、計算機でHAZOPを実施するためのシステムが多く開発されてきているが、多くは実際に行うHAZOPとの相違や推論意図の不明確さなどから実用に至るケースが少ない。本研究では、その問題点に言及するとともに、システムから得られる解析結果の精度を向上させるために、解析に際する人手介入の実現と解析履歴のデータベースを構築することで、信頼性の高いHAZOPシステムを開発した。そのシステムと得られた結果について報告する。