日本原子力学会 年会・大会予稿集
2004年春の年会
セッションID: F19
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ルミネッセンスを用いた環境放射線測定
ルミネッセンス自動化測定システムを用いた蓄積環境放射線線量の測定
*橋本 哲夫八幡 崇藤田 博喜中川 貴博
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抄録
天然石英や長石粒子は第四紀沖積地層の白色鉱物粒子として普遍的に見い出される。太陽光曝のない粒子は、周辺からの天然放射線に由来する蓄積放射線作用で生成した放射線損傷が準安定状態で極一部分残されている。これら準安定な部位は、加熱処理や光照射により解かれ安定状態に復帰する時、ルミネッセンス(発光)を放出し、それぞれ熱ルミネッセンス(Thermoluminescence, TL)、光励起ルミネッセンス(Optically stimulated luminescence, OSL)と呼ばれている。 これら放射線誘起ルミネッセンスは、過去の自然放射線被曝に由来する蓄積放射線吸収線量に関する情報を秘めている。その利用の典型例として焼成や光曝以来の年代を測定する、いわゆるTL・OSL年代測定法が知られて来ている。ここでは、新たに開発した小型X線発生装置を搭載したルミネッセンス自動測定システムを用い、単分画再現法(SAR)法を適用して、焼成考古遺物から抽出した石英粒子を用い、赤色TL(RTL)、青色TL(BTL)、光励起ルミネッセンス(OSL)を用いた3種の蓄積線量値の相互比較を行った。
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© 2004 一般社団法人 日本原子力学会
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