抄録
軽水炉の燃料ペレットでは高燃焼時に結晶粒の微細化、微小なポロシティの集積を特徴とする組織(リム組織)が外周部から形成され、リム組織による燃料の物性、挙動への影響を把握する必要がある。ガドリニア添加ウラン燃料について、照射温度・燃焼度分布を均一とできるディスク状の試料を重水試験炉HBWRにて高燃焼度まで照射し、照射後試験からリム組織形成条件を明確にし、リム組織形成前後の物性、挙動を解明した。第1報ではガドリニア添加ウラン燃料ディスクの照射条件、電子顕微鏡観察によるリム組織の観察結果を報告する。