抄録
リチウム系酸化物LiAlO2、Li4SiO4、Li2ZrO3、Li2TiO3のイオンビーム照射による可視光領域での誘起発光について調べた。室温で1MeVプロトン照射により、300_から_500[nm]領域の酸素欠陥に起因すると考えられている発光中心からの発光と、長波長側の不純物に起因すると考えられる発光が観測された。組成の違うすべての試料において、その発光強度は照射時間(照射量)とともに減衰した。またLi2ZrO3についてはその減衰が他の組成と比べて著しく大きかった。さらにラザフォード後方散乱による組成分析で照射前後の酸素濃度を測定した結果、他の試料では大きな変化がみられなかった一方で、Li2ZrO3だけが数十パーセントも減少していた。