抄録
CANDLE(Constat Axial shape of Neutron flux, nuclide densities and power shape During Life of Energy producing) 燃焼方式とは、核分裂反応の活性な領域(燃焼領域)が中性子束分布、核種数密度分布、出力密度分布の形状を帰ることなく炉心の上部から下部、または下部から上部へと自立的に移動していく燃焼方式である。CANDLE定常状態(中性子束、出力密度、核種数密度等の分布はその形を帰ることなく燃焼領域と共に移動している状態の事)では、炉心特性は変化することがない。そのため、反応度制御は必要なく、また炉心高さにより炉心寿命を設計することが出来る。さらに、高速炉にこの燃焼方式を適用すると、新燃料として天然,劣化ウランを用いることが出来、さらにその40%をエネルギーに変換することが出来る。小型炉に適用した場合、超寿命化が容易で高い安全性を持つ原子炉を開発することが可能である。また実現した場合、数百,数千年分のエネルギーを保障できる。
以上からわかるように、CANDLE燃焼方式は非常に画期的であると言える。しかし、問題点の一つとして高燃焼ゆえの材料に対する高照射量が挙げられ、これにより使用材料の健全性について考えなくてはいけない。
この問題を解決する方法の一つとして簡易再処理工程を導入した。簡易再処理工程とは、途中部分の燃料を取り出しその部分の被覆管を交換した後、再び炉心に戻す工程を意味している。このように新しく被覆管を変えることにより、照射量の減少と安全性の上昇につながる。現在、この工程を含めた炉心解析を行っている。本発表では、解析により適切な交換位置,タイミング等を調べ、その結果を発表する。