抄録
高速増殖炉「もんじゅ」などの沸騰伝熱プラントにおいて,仮に高温ラプチャーによる伝熱管の破損が蒸発器で生じた場合には,原子炉の停止に伴い蒸発器は冷却過程へ移行する.この冷却過程における局所高温領域での強制対流膜沸騰熱伝達特性に関する知見は原子力プラントの安全評価・運用・設計において重要である.そのため本研究では溶融鉛に浸漬させた水平方向の直管および曲管内に高質量流束・低クオリティーで水を流し,円管内表面の強制対流膜沸騰熱伝達係数を求めた.質量流束,入口クオリティー,伝熱管加熱長さ,遠心力,内径の大きさについて結果の比較検討をおこない,強制対流膜沸騰熱伝達係数の相関式を作成した.