日本原子力学会 年会・大会予稿集
2007年秋の大会
セッションID: H05
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軽水炉安全
確率論的破壊力学解析による構造機器健全性評価手法に関する研究
再循環系配管の破損確率に及ぼす供用期間中検査頻度の影響
*伊藤 裕人鬼沢 邦雄
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抄録
我が国の初期の軽水型原子力発電所は既に30年以上運転されており、今後さらなる長期間の運転が検討されているため、経年化した構造機器の健全性評価は重要な課題である。配管等の安全上重要な構造機器の健全性評価においては、合理的な評価手法として、材料特性のばらつきや経年劣化事象の不確かさ、供用期間中検査(ISI)の欠陥検出率等を確率論的に評価する確率論的破壊力学(PFM)解析手法の有用性が示されている。 日本原子力研究開発機構では、国内基準に基づく評価手法を導入した配管の破損確率評価のためのPFM解析プログラム開発を進めている。このプログラムは、応力腐食割れ(SCC)の発生・進展等を考慮し、配管溶接部の破損確率を評価する。ISIで実施される超音波探傷試験における欠陥検出性やサイジング精度に関しては、最新の知見や試験データ、民間自主規格等を基にモデル化を行い、プログラムに導入している。 SCCに対して感受性のある配管溶接部に対する供用期間中検査の頻度は、破損確率に大きく影響を及ぼす因子である。このため、維持規格で規定されている標準検査を基準とし、本PFM解析プログラムにより検査頻度の相違が破損確率に及ぼす影響を評価した。
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© 2007 一般社団法人 日本原子力学会
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