日本原子力学会 年会・大会予稿集
2007年秋の大会
セッションID: B19
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地雷探査,γ線利用
γ線エネルギーの電気エネルギーへの変換
*一木 訓田辺 哲朗橋爪 健一大塚 哲平岡井 富雄
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抄録
γ線をSi pn接合半導体に照射し、Si内で生成された電子-正孔対を電気エネルギーとして取り出すことが可能である。しかし、Si pn接合半導体にγ線照射した場合、γ線の透過性が高いため、Si pn接合半導体γ線のエネルギー付与は小さくなり、発生する電力も小さい。過去の報告から、Si pn接合半導体として太陽電池を使用した場合、太陽電池の前に鉛板を配置することで、出力が改善されることが分かっている。そこで本研究では、γ線照射によるSiへのエネルギー付与を増加させるためn型Si薄膜の厚さの異なるSi pn接合を作製し、その前後に鉛板を設置し、γ線照射し、Siへのエネルギー付与を増加させることで出力が向上することを確認し、出力増加のために鉛板の配置位置の最適化を行ってきた。具体的には試料であるn型Si薄膜の作製には高周波マグネトロン二極スパッタ装置を用いた。基板にp型Siウェーハ、ターゲット材にn型Siウェーハを用いた試料を作製した。スパッタガスとして、水素ガスを用いた。また、基板温度は150℃、スパッタ時間は2時間~19時間で、圧力は10Paで成膜を行った。また、γ線照射実験は九州大学量子線照射分析実験施設で行った。γ線源としては60Co(0.3kGy/h)を用いた。その結果、n型Si薄膜の膜厚が大きいほど出力が向上することが分かった。また、鉛板をγ線源に対してシリコンの後に設置することで出力が向上することを確認した。 さらに、MCNPコードを用いて様々な半導体材料についてシミュレーションを行い、その結果、γ線照射に対してSiよりもそれぞれ5倍、3倍程度大きなエネルギー付与を持つことが分かったInPとGaAsについて、pn接合半導体とショットキー接合半導体を作製し、γ線照射し、出力を測定し、Siとの比較を行うことを検討中である。
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© 2007 一般社団法人 日本原子力学会
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