放射線診断に使用されている核種による膀胱の吸収線量は他の臓器よりも高くなる傾向にあるため、膀胱の線量評価は重要である。より正確な線量評価を行うために、膀胱の放射線感受性の高い細胞である基底細胞を考慮した膀胱簡易モデルを構築し、光子、電子に対する基底細胞や膀胱壁全体の比吸収割合(SAF)をモンテカルロシミュレーションにより評価した。続いて、評価したSAFを用いてベータ線放出核種36核種について単位放射能あたりの標的組織の平均吸収線量を求めた。その結果、膀胱の線量評価をより正確に行う上で、標的組織として基底細胞を考慮することや、ベータ線スペクトルを考慮した線量評価を行うことが重要であることが分かったので報告する。