抄録
METI公募補助事業として、5機関との連携により、エルビア入り次世代高燃焼度燃料に関する研究開発を、平成17年度より4年計画にて実施している。ここでは、本事業の成果の一つである、加工施設臨界評価について報告する。前回は、単純形状(球、平板、円筒)を対象に臨界安全評価を実施し、5wt%と等価な反応度となるエルビア添加量を示すECOS図について報告した。今回は複雑形状について報告する。減速条件付大型容器に対するECOS図では、単純形状と同様の評価結果が得られたが、燃料貯蔵体系に対しては、特に濃縮度が高い場合(7wt%以上)にエルビア添加量が大きくなった。これは繰返し形状での中性子相互作用に起因するものである。今回得られたECOS図に示された未臨界領域に、炉心特性が良好な範囲が含まれていることから、エルビアクレジット燃料は実用的で有効な概念であることが示された。