JENDL高エネルギー核データファイルからパイ中間子の生成まで考慮し、3GeVまで適用できるMCNP用ライブラリを作成し、核破砕実験解析に初めて適用した。解析では、PHITSコードにおいて、パイ中間子入射反応と輸送はBertiniモデル等の既存の計算手法を用い、核子について内臓のMCNPコードで、3GeV 以下の全エネルギーを網羅した計算ができるようにした。水銀、タングステン等の厚いターゲットに高エネルギー陽子ビームを入射した核破砕積分実験の解析を行い、その精度を検証した。核データファイルによる計算は、核種生成率分布の実験値と概ね一致すること、いくつかの核種生成では250MeV付近の不連続性により、核種生成率に十数%の影響を与えること等が明らかになった。