抄録
10MeVを超えるエネルギーの医療用リニアック施設では、コンクリートのみの遮蔽ではその壁厚が3m近くになる場合もあるため、一般には鉄板をコンクリート壁に挿入し、遮蔽壁厚の低減を図っている。しかしながら、このエネルギー領域では光核反応により特に挿入した遮蔽鉄板から光中性子が生成し、遮蔽厚の低減化が困難であるのが現状である。そこで、実験で検証されたモンテカルロ計算コードMCNP5を用い、遮蔽材料の種類及び配置についてパラメータサーベイを行い、遮蔽厚の最適化を検討した。その結果、1m程度の壁厚で線量限度をクリアできることが明らかとなった。