抄録
加速器駆動核変換システム(ADS)では、ビームトリップ事象が少ない、信頼性の高い加速器を開発しなければならない。このため、既存の加速器で発生しているビームトリップ頻度を評価する必要があるが、加速器の運転データからどのようにビームトリップ頻度を評価すべきか統一した見解が得られていない。本発表では、ビームトリップ頻度の評価方法を検討するため、高エネルギー加速器研究機構(KEK)における加速器の運転データを用いて、ビームトリップ頻度を算出するために必要となるクライストロン系の平均トリップ間隔を評価したので、報告する。この評価では、クライストロン系の偶発的な停止事象に加え、従来の評価では含めていない、メンテナンスなどによる加速器の停止事象(打切り事象)を含めて平均トリップ間隔を算出した。その結果、従来の評価と比較して、クライストロン系の平均トリップ間隔が1.8倍長くなることがわかった。