抄録
燃料装荷時における起動領域中性子モニタ(SRNM)指示値の予測精度を向上させる目的で,BWR燃料の中性子放出率を測定した。測定方法について,浜岡原子力発電所における過去10年間の燃料取出・装荷時のSRNM指示値を対象に,SRNM周りに4体の燃料を装荷した時のSRNM指示値[cps単位]を1体装荷時のSRNM指示値で割り算した値を「測定値」と定義した。これらの測定値は,SRNM指示値同士を割り算しているので,SRNM感度の影響を極力排除している。一方,計算方法について,燃料の燃焼計算をモンテカルロコード(MVP-BURN)で行い,燃焼度のみをパラメーターにした中性子放出量を計算し,SRNM指示値は中性子放出量に比例するだけのモデルを「計算値」とした。測定値と計算値はおおよそ一致したが,燃焼度依存のバラツキが見られたので,これらを経験的に補正する方法を提案する。