抄録
ポジトロン断層撮影法(PET)が普及し、その薬剤生成用の小型加速
器が多くの病院等に設置されてきている。そのPET用小型加速器の多くが最大加速エネルギー20MeV以下で運転される。施設の放射線安全設計や施設廃止措置後のクリアランス評価にはターゲットやビームダンプ等における加速器構造材からの中性子発生量や放射化量を適切に評価する必要がある。しかし、入射陽子のエネルギーが10-20MeV程度の低エネルギー領域に関しては、計算コード(理論計算モデル)も十分に検証されていない。 本研究では、18MeV陽子による加速器構造材等(ベリリウム、窒素、酸素、炭素、アルミニウム、銅、タンタル)の生成中性子のエネルギー及び0°から150°までの角度分布データの測定を行った。測定結果は、PHITS(核内カスケードモデル)の計算値やENDF/B-VIIと比較した。