抄録
核燃料関連施設から発生する放射性廃棄物に含まれるU-235とPu-239原子を非破壊的に定量できることは放射能評価や計量管理にとって非常に重要である。そこで、昨年度発表した、「14MeV中性子直接問いかけ法を用いたPu-239及びU-235の分離測定法の開発」では、小さなマトリクス内にU-235とPu-239が混在している場合、その質量の比はこの研究で構築した理論式と14MeV中性子直接問いかけ法によって測定した遅発・即発計数比を組み合わせることによって導かれることが証明された。この分離測定法の実用化へのステップとして、実際の測定対象物である廃棄物は、金属で構成されるドラム缶サイズであり、このようなマトリクス内に混在するU-235とPu-239の比を精度よく決定できるかどうかについて検証した。その結果、金属廃棄物に関しては、昨年度開発した分離測定法を用いて、U-235とPu-239の比を精度よく決定できることがわかった。